
『漢文研究要訣』を読む:はじめに
書き下されていない漢文を、読解する需要は今なお皆無ではないと思う。大学で中国史や中国文学・思想を学ぶ人はもちろん、日本史や日本文学・思想、さ...
誰でも漢文が読めるようになるサイト
書き下されていない漢文を、読解する需要は今なお皆無ではないと思う。大学で中国史や中国文学・思想を学ぶ人はもちろん、日本史や日本文学・思想、さ...
凡ての白文を訓読しようとするに際して、最も捷径であり適切であり確実であるのは、造句法から考察することである。造句法の概要に熟達していれば、い...
一 対偶法(承前) 以上によって、対偶法がいかに漢文の分解訓読に必要で適切か、ほぼ察知できる。この対偶法をさらに分類すると、次のようになる...
二 重畳法 あるいは層塁法ともいい、またあるいは塁語、類句などともいう。第一の対偶法に次いで多く用いられるのが、即ちこの法であろう。その対...
三 承逓法 承逓法とは別名連語、または逓句ともいう。上句の尾を承けて、下句の首となし、順次に承接逓下して、円転流暢の文を成すものである。例...
四 照略法 照略法とは、上の句に述べた語を、下の句で省略する造句法である。即ち上の句にある語句で、下の句で略された語句を照映するのである。...
五 回文法 回文とは本来、詩の体裁の一種である。上から読んでも下から読んでも、一種の完全な詩になっているものを言う。例えば蘇東坡「題金山寺...
六 倒装法 あるいは倒置法とも倒句ともいう。文章の平板単調を避けるために、特に普通の様式を変化させた、語勢の遒勁と造句の奇巧を工夫したもの...
前章すでに各種の句法から訓読を試みる方法を略述したから、本章ではさらに各種の語法から白文訓読を講きわめていく。ここでは凡そ九種について略述す...
1.表時格の語法(承前) 過去を表すもの 既(すでニ) 文王既沒、文不在茲乎。(『論語』子罕) 〔文王既に沒するも、文茲ここに...